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韓国発見シリーズ75 「80歳で大学生になったおばあさん」

2020年09月01日

今年5月、新型コロナウイルスのニュースで世界中が大変な中、韓国のある有名新聞に80歳で大学生になったおばあさんの記事が掲載された。最高齢の新入生ではないかと思う。

息子が80歳のプレゼントに何が欲しいか尋ねたところ、「学ぶためにインターネットも使いたいし、課題も提出しなければならないので、パソコンが1台ほしい」と言ったという。コンピューターも熱心に覚え、中間試験も受けた。成績も若い同級生と比べてそれほど悪くなかったそうだ。

この老婦人はがんで夫を亡くしたが、夫の闘病生活を支えながら療養保護士という制度を知った。夫が亡くなり、葬儀や後片付けを終えて、療養保護士の試験勉強を始めたそうだ。夫と死別した寂しさを勉強で克服したのだ。74歳で試験に合格し、健康が許す限り仕事を続けたいという思いで働いたという。

その後、高齢者の健康と福祉のためのさまざまな制度を知り、専門的な勉強をしたいと、今年大学に入学した。

この記事を読んで、生きること自体が絶えず学ぶ事ではないかと思った。特に今のように変化の速い情報化社会では、常に新しいことを学び、それに慣れなければならない。スマートフォンを使うためにも新機能が追加されるたびに学ぶ必要がある。

最近ではフィジカル・ディスタンシング(身体的距離の確保)が一般的になると、自宅でオンラインを利用し、さまざまな講座を受講できるサイトが増えている。報道によると、世界的な無料教育サイトは昨年より約7倍も利用者が増加したという。人工知能やプログラミング、経営、外国語、宗教、趣味など2千を超える講座を4~6週間、長い講座でも4~6カ月で学べる。

年を取るほど変化を嫌い不安になるが、80歳の新入生の学び続ける姿勢から、学ぶ喜びや壁を越える挑戦などを再認識させられた。逆境をむしろ学びで克服し、知識とスキルを蓄え、仕事に生かし、社会に貢献する人間のしなやかさ、たくましさも美しく価値あるということを意識したい。

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