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韓国発見シリーズ70 「韓国人の代表的な庶民料理、チャジャン麺(2019.11)」

2019年12月04日

外国に長く住む日本人が食べたくなるソウルフードがラーメンなら、それに比例するのは韓国ではチャジャン麺だろう。

チャジャン麺はもともと中国山東半島地域の家庭食を韓国人の口に合うようにアレンジした麺料理だ。たまねぎ、ジャガイモ、生姜などいろいろな野菜と肉を食用油で炒め、中国の味噌(春醤)で味付けした真っ黒いソースを麺にたっぷりかけて食べる韓国式中華料理である。

資料によると、1890年代に中国山東地方から渡ってきた埠頭労働者(苦力・荷役人夫)が仁川港埠頭の周辺で簡単に食事を済ませられるよう中国の味噌(春醤)と麺を混ぜた料理がチャジャン麺の始まりだという。 その後「共和春」という店が1912年に開業。この店が「元祖チャジャン麺の家」として知られ、今も仁川のチャイナタウンには共和春の建物が「チャジャン麺博物館」として復元されている。

朝鮮戦争直後の1950年代半ばには、春醤にキャラメルを入れ、甘めの味付けになっていった。この頃からチャジャン麺は中国のものとは異なり韓国風に変わっていく。1960~1970年代には韓国政府が当時の食料事情を改善するため行なった粉食奨励運動や産業化時代と重なり、チャジャン麺は全盛期を迎えた。

チャジャン麺は今でも200~500円位と比較的安価で提供される。そして配達文化が色濃く残る韓国ではどこへでも配達してくれる。それは川辺や海辺など住所がない場所でもお店の人はバイクで配達する。それで家族や友人と野外でも電話一本で熱々たっぷりのチャジャン麺をいただける。

韓国の大らかさと安価でお腹いっぱいになる気楽さ。また、チャジャン麺を食べるときは口周りを真っ黒にしながら大きく口を開けて食べなければいけない。このユーモラスな雰囲気が多くの韓国人に愛されてきた要因ではないかと思う。

ぜひ、みんなで大きく口を開けて、口を真っ黒にしながら、韓国の雰囲気を味わってもらいたい。

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