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韓国発見シリーズ61 「韓国人が好きな詩」

2017年12月27日

韓国人が好きな詩

 韓国人は詩が好きだ。2008年、韓国現代詩誕生100周年記念に「韓国人が好きな詩」調査が行われた。人気のあった詩を紹介する。


『つつじの花』 金素月(キムソウォル)

私を嫌って去って行かれるなら

黙って静かに送って差し上げます

寧邊(ニョンピョン)に薬山(ヤクサン)

つつじの花をひと抱え摘んで

通る道に散りばめます

歩む一歩ずつ 撒いた花を

そっと踏んでお行きなさい

私を嫌って

去って行かれるときには

死んでも涙を流しません


 最高の別離の美学だと高評価の詩で、別れの悲しみを受け入れ昇華させた作品だという。



『花』金春洙(キムチュンス)

わたしがあなたの名前を呼ぶまえ

あなたはただ存在に過ぎなかった

わたしがあなたの名前を呼んだ時

あなたはわたしに歩みより花となった(特別な存在になった)

わたしがあなたの名前を呼んだように

わたしの色と香りに似合う

誰かわたしの名前を呼んでおくれ

あなたのそばへ行き

あなたの花になりたい

わたしたちは皆 何かになりたい

わたしはあなたのもとへ

あなたはわたしのもとへ

忘れられぬ特別な存在になりたい


 全ての物質は言語を離れては存在に意味はないという考えだが、今は恋愛詩として有名だ。



『空と風と星と詩』序詩 尹東桂(ユンドンジュ)

死ぬ日まで空を仰ぎ

一点の恥辱なきことを

葉あいにそよぐ風にも

わたしは心痛んだ

星をうたう心で

生きとし生けるものをいとおしまねば

そしてわたしに与えられた道を

歩みゆかねば

今宵も星が風に吹き晒される


 暗い現実でも純粋な人生を生きたいという高潔さがうかがえる。



 洗練された詩は時代を超えて人の美しい心をかきたてる。


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