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人権・同和教育シリーズ178(7月号掲載)

2020年05月23日

基本計画の改定版ができました

地域人権教育指導員・宮川淳一(みやがわじゅんいち)

2007(平成19)年に菊池市で策定された「菊池市人権教育・啓発基本計画」(以下、「基本計画」)をこのたび、改定しました。

Q.「基本計画」は、なぜ必要なのですか?

A.基本計画は、「人権教育・啓発推進法」の第5条の「その地域の実情を踏まえ、人権教育及び人権啓発に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する」を受け策定されました。「市民一人ひとりの人権が大切にされる差別のない明るいまちづくり」を実現するために必要です。

Q.今でも差別があるんですか?

A.数年前、本市において、結婚相手の身元について問い合わせる電話がありました。これは、明らかに結婚差別に関わる問題です。また、一昨年の市民意識調査結果でも、部落差別について、どんな人権問題が起きているかの問いに対して、結婚問題が上位をしめています。女性の人権問題についても、男は仕事、女は家庭、といった考え方が依然として根強く残っているという結果が出てきました。この他にも、子ども、高齢者、障がい者の人権など、私たちの周りには数多くの人権課題があります。

Q.菊池市ではどんな取り組みをしているのですか?

A.本市では、菊池市人権・同和教育推進協議会(会長は市長)を中心に6部会を設け、行政、学校・園、各種団体、市民が、手を取り合いながら、人権教育と人権啓発に努めています。具体的には、

  • 就学前(しゅうがくぜん)教育講演会・実践報告会
  • 人権教育授業研究会・実践発表会
  • 市職員人権・同和教育研修会
  • ふるさと懇談会
  • 市人権・同和教育研究大会
  • 市人権フェスティバル
  • 啓発リーフレット「ふるさと」
  • 人権・同和教育シリーズ 
  • 市まちづくり推進委員研修等。

乳幼児期の子どもたちの健やかな育ちを保障できるよう家庭と地域との連携を深め、学校教育につないでいます。学校教育では、一人ひとりに関わりながら豊かな人間性を育てる教育に取り組んでいます。また、社会教育では、関係団体や地域を軸として、みんなで取り組む体制づくりに努めています。

Q.取り組みの効果はあるのですか

A.市民の声が直接聞ける「ふるさと懇談会」の取り組みは、人権意識の変化を知る大切な機会です。自分たちの住む地域を自分たちの手で、よりよい地域に変えるために、住民がひざを突き合わせて本音で語り合える懇談会です。ある区では、地域子ども会が高齢者の方たちと交流したことをこの懇談会で発表し合い、自分たちのふるさとを大切に思う心を育てるという取組がありました。世代を超えて、自分たちの住む地域をよりよいものにしていくというすばらしい実践です。

Q.私にできることは何ですか?

A.私たちは、自分のことと重ならなければ、他人事としか捉えない傾向があります。「基本計画」でも触れていますが、自分の周りにある人権課題に目を向けましょう。また、根拠のないうわさ話に流され、思い込みや偏見などで人を判断してしまうことがあります。そのような過ちをなくすためにも正しい情報を共有する必要があります。一緒に誰もが住みよい菊池市を創っていきましょう。

菊池市人権教育・啓発基本計画【改定版】の写真

 


 

「基本計画」【改定版】と概要版

※菊池市ホームページにも掲載中

菊池市人権教育・啓発基本計画【改定版】について(サイト内リンク)

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