9月下旬に姉妹都市遠野市の「ふるさと遠野祭」を見学しました。菊池市の3倍の面積に人口2万9千人と小ぶりな市ですが、秋祭の盛大さには驚きました。全市の60以上の地区から、各地の伝統的獅子踊りや神楽の舞が中心市街に結集します。朝から夜まで延々と舞や踊りのパレードが続き、小さなまちは人口の数倍の人出であふれんばかり。夜は興奮が頂点に達します。
次の日は、八幡神社に2万人の市民が集まり、大歓声の中で流鏑馬が奉納された後、再び昨日の伝統芸能のパレードが境内を練り歩き、観客は地区ごとに輪になって弁当を囲んで楽しみます。
本市の6割の人口しかない遠野市で、この二日間の熱狂のエネルギーは一体どこから来るのでしょう。この日だけは遠野市の八百万の神々と人々が全て一箇所に集まりました。官農商工の区別なく、踊る人・見る人・支える人、老若男女。共通するのはこの祭りへの愛情と誇りです。郷土愛というガソリンを、バラバラではなく一つの火に結集すると、エネルギー総力の算式は足し算ではなく掛け算で出てくるかもしれません。
