団結力で目指す「ワンチーム菊池」

新年明けましておめでとうございます。令和元号での最初のお正月を、新たな気持ちでお迎えのこととお慶び申し上げます。昨年は相次ぐ自然災害によって、全国で甚大な被害が発生しました。児童虐待などの暗いニュースに加え、日韓問題や米中問題といった不安定な国際情勢は、私たちを一層不安な気持ちにさせました。

一方で、新天皇が即位され令和に改元されたことで、新時代への希望と期待が高まりました。また、日本ラグビーチームのワールドカップでの大活躍が日本中に大きな感動をもたらしました。このように昨年は暗いニュース・明るいニュースが混在したまさに激動の一年でした。そうした中、本市では待望の新しい市民広場が春に完成しました。子育て家族に楽しんでいただくとともに、マルシェなど民間団体の交流拠点として新たなにぎわいを生み出しています。同時に市庁舎周辺の整備も完了し、合併以降の主な事業に大きな区切りがついてきました。

観光面では、菊池武光公の生誕700周年の機会を活用し、福岡県内の自治体と連携して広域での地域活性化を目指す「南北朝・菊池一族歴史街道」を始めました。また、数年来の取り組みが実を結び、本市の歴史的な用水井手群が世界かんがい施設遺産に登録されたことは、誇らしくうれしいニュースでした。本年もさまざまな事業に積極的に取り組んでまいります。菊池渓谷では、建設中のビジターセンターが春には完成し、長年閉鎖されていた阿蘇カルデラにつながる自然遊歩道が再開され、創造的復興が実現します。また、南北朝・菊池一族歴史街道を具体化するとともに、第2弾として県内外の自治体へと連携を広げていきます。加えて、外国人観光客の誘致を関係団体と連携して進めます。キャンプや農村体験型民宿など、観光ニーズの新しい流れにも対応してまいります。

財政面では、引き続き合併の狙いの一つであった公共施設や補助金の見直しを進めます。泗水と旭志支所は改修・建て替えが年度内に完了予定です。泗水支所には子ども健診センター(仮称)などを設置し、子育て世代への支援機能を拡充させます。特別養護老人ホームつまごめ荘は4月をめどに民営化の予定です。こうした行財政改革は、今後の少子高齢化・人口減少を踏まえ、将来世代のために今実行しておかねばならない課題です。サービスの質が低下することのないよう全力で努力してまいります。

ラグビー日本代表が「ワンチーム」の素晴らしさを教えてくれたように、これからの地方に真に必要なのは団結力。ふるさとの活性化を自分ごととしてとらえ、官民一体となって、できることから地道に実行すること。玄関前の小さな花植えも千軒連なれば、人を惹きつける光景になります。皆さまにとりまして、本年が健康で安全で「令和」にふさわしい美しい調和に満ちた明るい年となりますよう心から祈念申し上げ、年頭のごあいさつとさせていただきます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　令和2年元旦　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　菊池市長　江頭実