平安時代以来24代450年間にわたり、九州随一の豪族として歴史に名を刻んできた菊池一族。中でも14世紀半ばの南北朝の戦乱期には、15代菊池武光が征西将軍懐良親王を擁して九州の大半を制圧し、征西府を治めた時期もありました。菊池一族の天下分け目となった筑後川の戦いは、関ヶ原の戦い・川中島の戦いに次ぐ日本三大合戦に数えられています。今年はこの一族のヒーロー、菊池武光の生誕700周年・筑後川の戦い660周年の大きな節目を迎えます。これに照準を合わせ本年4月、市役所に菊池一族プロモーション室を新設しました。一族の歴史や文化を通じて菊池ファンを作り出し、観光やまちおこしにつなげる狙いです。

現在、史跡や歴史文物の点在する福岡県内の自治体と連携して「菊池一族歴史街道」作りを進めています。また全国の「菊池(地)さん」をお客様として取り込む運動も展開します。こうした菊池ファンは一過性ではなく、リピーター(固定客)となる可能性が高いのです。7月初旬の博多祗園山笠では武光と懐良親王がモデルの飾り山が登場します。また、7月半ばより熊本県立美術館で菊池一族を主題にした特別展が始まり、同時期に九州国立博物館で室町幕府展も開催されるなど、この夏は九州各地に菊池一族が「出没」します。今の菊池があるのは、一族が命を懸けて郷土を守り抜いたおかげ。700年後の今、私たちが歴史を活かして菊池の活性化につなげることが、一番の恩返しとなるのではないでしょうか。