のどの渇きは脱水のサインです〜冬場の脱水にご注意を〜
乾燥が進む冬の室内では脱水症や熱中症が起こりやすい
東京消防庁の資料によれば熱中症のピークは例年7月・8月となっていますが、同庁の管内ではピーク以外の時期である2015年11月〜2016年4月のあいだにも42人が熱中症によって病院に搬送されているそうです。また同庁の統計によれば、熱中症で救急搬送される人の約半数は65歳以上の高齢者であり、そのうち約7割は75歳以上の後期高齢者とのことです。
なぜ脱水が起こりやすいのか
室内の空調やストーブ等での空気の乾燥
冬場の乾燥した空気にエアコンや石油ストーブなどはさらに空気を乾燥させます。
皮膚や粘膜から80%呼吸から20%の水分が失われると言われています。
知らず知らずのうちに、身体の水分が失われているので、夏のように大量の汗をかいて気を付けようとする警戒心が薄いのも特徴です。
風邪等の発熱時における脱水
インフルエンザや風邪の発熱によって脱水症状になるケースも多い季節です。
インフルエンザなどの場合は高熱が出ますが、身体は体温を下げようと汗をたくさんかきます。高熱が2,3日続くケースも良くあることなので、脱水症状には十分に気を付けます。
ノロウイルスなどの下痢や嘔吐によっても脱水症状になることもあります。ノロウイルスの場合も一日に何度も下痢や嘔吐がある為身体の水分は大量に失われます。
水分摂取の意識の低下
夏に比べると積極的に水分を取る機会が減ってしまいます。特に高齢者が脱水状態になりやすく、高齢者はおもに加齢により、体内の水分量の減少や感覚機能の低下(「のどの乾き」や「暑さ」を自覚しにくい)が理由で特に脱水状態を起こしやすくなります。
予防のためにできること
冬でもこまめな水分補給を心がけることが大切
特に、高齢者においては、何度もトイレに行くことを防ぐ目的などで水分の摂取を控えるケースも見られますが、脱水症や熱中症を予防するためにも意識して水分を取るようにしましょう。例えば、水や白湯など朝一番や寝る前に飲む習慣を取り入れたり、野菜や果物で水分と併せてビタミン・ミネラルを補ったりすることもお勧めです。
室内の湿度を上げる工夫
室内で暖房器具を長時間使用する場合には、部屋の乾燥を防ぐため、加湿器を使ったり部屋に洗濯物を吊ったりするなどの対策をあわせておこなうように心がけましょう。
脱水の症状は
気付きにくいのが冬場の脱水症状です。代表的な症状として、体重減少・頭痛・めま・身体がだるい・尿がいつもより黄色い・立ちくらみ・喉の渇きなどです。このような体の異変を感じたら早めの受診をすることをお勧めします。
水分の喪失量 | 電解質の喪失量 | 症状 | |
軽症 | 体重の約2% (1〜2ℓ) | 0.50 (g/kg) | 口渇、頭痛、倦怠感、脱力感、無関心 食欲不振、立ちくらみ |
中等症 | 体重の 約3〜4% (2〜4ℓ) | 0.50〜0.75 (g/kg) | 強い口渇、口腔内乾燥、悪心・嘔吐 脱力感、めまい、濃縮尿、乏尿、不安 皮膚粘膜乾燥、皮膚弾力性低下、眼球陥没 脈拍微弱、(起立性)低血圧 |
重症 | 体重の 約7〜14% (4〜8ℓ) | 0.75〜1.25 (g/kg) | 精神神経症状(不安感、幻覚、小脳症状など) 血圧低下、頻脈、体温上昇・低下 循環不全、ショック、昏迷、昏睡、死亡 |
脱水症状がみられるときには
のどの渇きや食欲がない等の軽度であれば経口補水液などを少しずつ飲むようにしますが、改善が無い場合は早めに医療機関を受診しましょう。
まとめ
暑い夏に比べると気がつきにくいのですが、積極的に水分を補給するなどしてより健康的な生活を送りましょう。
カテゴリ内 他の記事
- 2020年5月1日 コミュニティ活動補償制度
- 2020年3月4日 国民健康保険・後期高齢者医療保険の高額療養費について
- 2020年3月4日 国民健康保険の第三者行為による届出について
- 2019年6月5日 望まない受動喫煙の防止を図るために〜健康増進法が改正されまし...
- 2019年2月14日 12月1日は「世界エイズデー」