「涼しくこそ見え候え」。
日本史の教科書でもお馴染みの『蒙古襲来絵詞』。鎌倉時代に起こった2度の蒙古襲来(元寇)の様子を描いたこの絵巻物の中で、主人公である竹崎季長から、こう語りかけられた人物がいます。
菊池一族の10代武房です。
場面は、恐ろしい蒙古(モンゴル)の兵たちを次々に倒して引き揚げてきた武房の、勇ましいながらも洗練された姿に、季長が思わず声をかけた、という一コマ。
『憧れの人』として描かれた武房は、この日本侵略の危機とも言える戦いで、どのような役割を果たしたのでしょうか。
今回の特集は、蒙古襲来と菊池一族の関係について迫ってみます。