みなさん、普段から野菜を食べていますか?野菜は体にいいとはわかっていても、意識しなければなかなか十分な量を摂取することは難しいです。今回は、野菜を食べることの効果を中心にお伝えします。
どのくらいの野菜を食べればいいの?
生活習慣病を予防するために、成人は1日に350g以上の野菜を食べましょうと言われています。令和4年に実施された熊本県民健康・栄養調査によると、熊本県の成人の1日野菜摂取量は、約100g不足しています。野菜の種類によって、多く含まれている栄養素の種類も異なるため、同じ野菜をたくさん食べるのではなく、さまざまな野菜で350g食べましょう。理想は、緑黄色野菜(トマト、ほうれん草、にんじん等)を120g、淡色野菜(キャベツ、きゅうり、なす等)を230g摂取することです。
野菜を食べることの効果
1、血糖値の上昇を防ぐ
野菜を食事のはじめに食べることで、野菜に含まれている食物繊維の働きにより、血糖値の上昇を穏やかにすることができます。血糖値の変動を小さくすることで、糖尿病予防だけでなく、動脈硬化や肥満を予防することができます。
2、血圧の上昇を防ぐ
野菜に含まれるカリウム、カルシウムには血圧を下げる働きがあります。カリウムには、腎臓から食塩を排出しやすくする働きがあります。(腎臓の病気がある方はカリウム摂取の制限が必要な場合があるので、主治医と相談する必要があります)また、カルシウムにも血圧を安定させる効果があります。血圧の状態を良好にすることで、高血圧症や脳卒中などの脳血管疾患を予防することができます。
3、体の調子を整える
野菜はビタミンやミネラルを多く含んでいます。ビタミンにはストレスの抵抗力を高める効果、ウイルスから体を守る効果があります。また、食物繊維は、善玉菌を増やす働きがあるため、整腸作用も期待されます。
4、がんを予防する
抗酸化作用を持つ野菜が、活性酸素(細胞を傷つける)を除去します。ビタミンやミネラル、食物繊維、緑黄色野菜に多く含まれるカロテンは、がんの予防にも効果が期待されます。
どのようにして食べたらいいの?
生野菜でも加熱した野菜どちらでも構いません。生野菜は歯応えもあり、噛む回数も増えるので、満腹中枢が刺激され、食べすぎを防ぐことができます。また、野菜に含まれるビタミンC・B群、水溶性食物繊維は、長時間の水洗いや加熱調理によって流出してしまうので、生で食べることで栄養素の損失を防ぐことができます。
加熱した野菜は、かさが減るため、たくさんの量を一度に食べることが可能になります。
また、野菜を調理する手間を省きたいときは、カット野菜や冷凍野菜、乾燥野菜、洗ってそのまま食べることのできる野菜(トマト、きゅうり等)を活用することもおすすめです。
【1食分の野菜120g(生)】 【1食分の野菜120g(茹で)】
せっかく野菜を摂取しても、ドレッシングをたっぷりかけたり、塩辛い漬物として多く摂取すると、効果は減ってしまいます。ドレッシングの代わりにレモンやゆず、かぼすなどの柑橘類や香辛料などの味付けを選んで食べるようにしましょう。主食、主菜の中に野菜をうまく取り入れて、1日350gの野菜摂取をめざしましょう。
おすすめレシピ!ラタトゥイユ
〈材料2人分〉
トマト:1個(160g) なす:1本(70g)
ピーマン:1個(40g) 玉ねぎ:1/4個(50g)
コンソメ:小さじ1 塩コショウ:少々
ローリエ:1枚
【作り方】
1.トマトは、1.5~2cm角に刻む。
2.なすをしま模様に皮をむき、乱切りし、水にさらしてあく抜きをする。
3.玉ねぎ、ピーマンは食べやすい大きさに切り、にんにくはみじん切りにしておく。
4.鍋にオリーブ油を熱し、にんにくを入れて炒める。香りが出たら1を炒める。
5.コンソメ、ローリエを加え、弱火で煮る
6.必要であれば、塩コショウで味を調える。