先日、2年ぶりの菊池市民劇「蘇れ故郷のこころ」を堪能しました。第2回のテーマは「つむぐ」。菊池・泗水・七城・旭志にそれぞれに伝わる物語をつないで、一つの夢と冒険の物語に仕立て上げてあります。出演のみならず、脚本・演出・監督・舞台進行まで、全てオール菊池市民の力です。

今回は子どもたちが大活躍。不思議なおじさんと子どもたちが時空を超えて4つの地域の過去と未来をつなぎます。何度も練習を重ねられた皆さんの熱意と努力に脱帽です。泗水の警神・増田敬太郎さんの崇高な自己犠牲、七城の湿田を改革し全国のモデルともなった富田甚平さん、菊池武時公の決死の瞬間に見せた家族への愛情、旭志の老僧を通じた故郷の先人の奮闘の生きざまなど、各地域の先人の偉業を初めて知った方も多かったことでしょう。

異なる4つの物語が溶け合って、まるで新しい「ひとつの故郷」の物語が誕生したようで、閉幕のあいさつで舞台に立ったとき、胸がいっぱいで目頭が熱くなり、言葉に詰まってしまいました。心を一つにしたときに、こんなにも大きな力と感動を生み出すのです。合併後12年の歳月を経て、私たちの故郷が一つになり始めたと実感した瞬間でした。