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韓国発見シリーズ60 「母の墓、朝鮮戦争の時の出来事」

2017年12月27日

母の墓、朝鮮戦争の時の出来事

雪が降り積もった寒い冬のある日。深い山間の雪道を抜けた奥の谷間を年配の米国人男性が韓国人の青年と歩いて行きました。そして二人はある墓の前に立ちました。「ここがお前のお母さんを埋葬した所だ」と年配の男性が言いました。

朝鮮戦争中の1951年1月4日、中国人民義勇軍の参戦により、戦地から後退していた寒い日の出来事です。激しい戦闘の中で一人の米兵士が江原道の深い山谷を後退していたとき、雪の中から子どもの泣き声が聞こえてきました。雪をどかして子どもを助け出そうとした米兵は驚がくします。最初に雪の中から出てきたのは衣服を一切身に着けていない母親だったのです。彼女はすでに凍死していました。戦場から避難している途中で深い谷間に閉じ込められ逃げ場を失ったようです。それでもわが子を寒さから守るために着ていた服を全部脱いで子どもを包み、さらに自分の上体で子どもを包む様に覆い、そのまま凍死してしまったのでした。 

子を思う母親の姿に感動した米兵士は、凍った土を掘って母親を埋葬し、母親の胸で泣いていた赤ん坊をアメリカに連れて帰り自分の息子として育てました。

子どもが青年に成長すると、米兵だった養父はその時の状況を息子に話し、凍った土に埋めた母の墓を訪ねました。雪がうず高く積もった墓の前に青年がひざまずくと、熱い涙がほおを流れ足下の雪を溶かし始めました。しばらくして青年は立ち上がり、着ていた服を脱ぎ始めます。裸になった彼は、墓の上に積もった雪を両手で丁寧に落としました。その後青年は、自分が脱いだ服を母親に着せるかのようにお墓を覆ったのです。そして墓にすがって慟哭しました。

「お母さん、どれほど寒かったことか!」「愛情深いお母さん。僕はお母さんを誇りに思います」

「お母さん! 会いたい。夢でもう一度会うことができたら…」

青年は母の深い愛に涙を流して感謝しました。

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