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韓国発見シリーズ53 「物質的な豊かさの中での霊的な貧困」

2016年12月27日

物質的な豊かさの中での霊的な貧困、江南区孤独死1位

 詩人アルネ・ガルボルグはお金の限界についてこう述べた。「食べ物は買えるが食欲は買えない。薬は買えるが健康は買えない。寝心地の良いベッドは買えるが安眠は買えない。知識は買えるが知恵は買えない。華やかさは買えるが美しさは買えない。豪華さは買えるが温かさは買えない。楽しみは買えるが喜びは買えない。知人は得られるが友情は買えない。使用人は雇えるが忠実は買えない」


 韓国の新聞によると、ソウル高級住宅街の江南で、最近孤独死が多発しているという。ソウル市福祉財団によると、2013年、ソウル地域の孤独死の発生件数(疑いを含む)は2343件で、これは毎日6・4件の割合で発生していることになる。このうち江南区が年156件で、25自治区の中で最も多かった。もはや孤独死は単なる貧困が原因ではなく、誰にでも起こりうる社会現象になっている。


 このソウル江南地域の憂鬱な統計は、経済的な豊かさが人生の幸せを保証するものではないことを表す。多くの人は、人間は一人では生きていけないということを知っている。お金持ちも例外ではない。ではどのように生きるか。


 日本の天才数学者岡潔は生前、生きるということについて「…生きるということは、人が良く生きるうちに気がこもっているかどうか…。生きることは、動くことで見分けてはいけない。良く生きているかどうかで見分けるべきだろう」と語った。


 私たちは良く生きているだろうか。それは自我を押し通すのではなく、自他を認め、自分の中を良いもので満たし、余裕からくる優しさや温かさが必要ではないかと思う。豊かな人生とはただ時間を過ごすのではなく、良く学び、考え、他人と分け合うことから生まれる内面の喜びが大きい人生ではないかと思う。人生というマラソンは走る本人だけでなく、支えてくれる伴走者や街頭で応援してくれる友人がいてくれるとき、皆が幸せになり最後の瞬間まで輝き続けるのではないかと思う。

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